弊社の歩み
安全な漁業を目指して
創業者の泉井安吉は1902年(明治35年)、高知県室戸市に生まれました。漁師を生業とする泉井家にあって、安吉も小学校を卒業後、マグロ延縄船に乗船。当時の延縄船は荒海での操業中、海に投げ出され命を失う船員が多く、「後家縄船」とも言われていました。安吉も揚縄中、海に投げ出される事故に遭いましたが奇跡的に救出。その体験から「安全に操業できる延縄捲揚機を作りたい」と決意し、船を降り、神戸で丁稚奉公をしながら機械設計を学びました。1923年(大正12年)、21歳で室戸に戻り、鉄工所を創立。焼玉エンジンの修理をしながら、機械設計を行い、マグロ延縄捲揚機「ラインホーラー」の実用化に成功しました。
1955年(昭和30年)、延縄捲揚機の発明と産業の発展に貢献した功績により紫綬褒章を受章しています。
創業者の泉井安吉
紫綬褒章の賞状と
創業当時の工場の様子
イズイ無くして、マグロ揚がらず
マグロ延縄漁は、長さ150kmにおよぶ幹縄に約3000本の釣り針と餌が付いた枝縄を取り付けて、マグロを漁獲します。延縄を設置する作業を投縄、回収する作業を揚縄と言いますが、非常に過酷な作業で、1回の操業で、投縄は4〜5時間、揚縄は10〜15時間ほど作業が続きます。
当社は、マグロ延縄漁業の省力化と省人化を目的とした各種漁撈機械の製作を行い、マグロ延縄業界では、「イズイ無くして、マグロ揚がらず」と言われ高い評価を得ております。
エサ投げ作業の省力化を実現した投餌機(左)
と延縄を巻き上げるラインホーラー(右)
エサ投げ作業の省力化を実現した投餌機(左)と
延縄を巻き上げるラインホーラー(右)
ウインチメーカーとして
ウインチとは、円筒形のドラムを回転させることにより、ドラムにワイヤロープ等を巻き付け、物の上げ・おろし、運搬、引張り作業を行う機械です。マグロ延縄用漁労機械で培った油圧技術を活かし、底曳き網を巻き揚げる「トロールウインチ」をはじめとる各種漁撈ウインチ、貨物等を巻き揚げる「カーゴウインチ」、港湾工事を行う浚渫船の「操船ウインチ」を製作しております。
2013年(平成25年)には、漁撈ウインチの長年にわたる製作実績と技術が認められ、川崎重工業(株)から漁撈ビジネス事業の譲渡を受けました。
100年。そして、その先へ
泉井鐵工所は1923年(大正12年)に創業し、2023年に創業100周年を迎えます。2017年には高知県香南市に新たな製造拠点となる香南工場を新設しました。これからも設計から製造まで「ユーザーの立場に立つ、信頼される“ものづくり”」をモットーに、技術の向上に取り組み、挑戦を続けます。
香南工場